皆さんこんにちは、孤独野営人です。
今回は、前回の伊豆山稜線歩き(金冠山~達磨山)の翌日。
いよいよ百名山の天城山へ!
宿泊地の修善寺を出て伊豆スカイラインで天城高原へ・・・。
その途中からかなりの雪が!
これは結構降っているな(汗)
だが雪の準備をしてきているので、問題は無いだろう。

そして天城高原にあるハイカー専用駐車場につく頃にはかなりの降雪!
上下レインウェアを着て、さらにチェーンスパイクを装着し登山を開始した。

だが!
登山口に着いた頃には雪がやんで快晴!
これは良かった。
しかし山の天気はいつ変わるかわからない。
今回は天城山を構成する万二郎岳に登り、次に最高峰の万三郎岳へと向かう。
そして帰り道は沢分岐点の方へとくだり、往路で分岐する四辻に戻る周回ルートとした。


四辻までは杉林の中を歩く。
雪があるがチェーンスパイクを履いていれば問題ないレベル。
溶け出してもいないので、ニュルニュルするような感じもない。

四辻を過ぎ万二郎岳へと向かう。
景色は変わり、昨日の伊豆山稜線歩きでも見た、伊豆ならではのうねうねしたアセビやシャクナゲ等の木が多い広葉樹の森となる。
だがなだらかな道のりで歩くのに苦はない。

途中北東側に視界がひらけた場所が。
スタート地点のゴルフ場越しに大室山が見えた。
ちなみに百名山の著者、深田久弥の時代にはこのゴルフ場はなく、久弥はゴルフ場北側(後方)にある遠笠山から登りゴルフ場のあたりを抜けて、万二郎岳~万三郎岳~赤城トンネルの方へと歩いたようだ。

道は段々と急になってくる。
しかし急登という程ではない。
急になったかと思えばまたなだらかになる感じが続く。

しかし・・・階段の崩落が激しい。
ほとんどまともに登れる階段は無い。
ただの障害物(汗)!
その階段を避けるルートを進む。

急になだらかになり、アセビやシャクナゲの森が。
そこが万二郎岳の頂上であった!
事前情報では、天城の山頂からの眺望はあまりないとのことだったが・・・

これは絶景!
伊豆半島の南東側が見える。
万二郎岳の南東側は崖のようになっている上に眼の前に山がない。
風車が連なる三筋山や、稲取・河津方面が見えているのだろう。
これは予想外の美しさ・・・つい長居してその景色を堪能してしまった。
北側に目をやったが、残念ながら富士山や南アルプスが見られなかった。

そんな絶景を楽しみ、西に目を向けると次に向かう万三郎岳が見えた。
しかし万二郎岳、万三郎岳はあるのに、「万一郎岳」は無いのだろうか???
と道中に疑問に思った。
この疑問をいだいた方、ナイスセンスです!
この答えは後に調べてわかったので後で・・・。

万二郎岳から50mくらいくだる。
今までの歩きやすい道とは大きく変わり、岩ゴロゴロの急な道だ。
反対側から登ってきたら、結構大変な登山となるだろう。

万二郎岳をくだると少しだけ穏やかな道に。
しかし長くは続かず、万三郎岳との間にある嶺へ。

その手前に南側の眺望がある場所が!

ココから伊豆諸島の利島、鵜渡根島、そして新島が見えた!
画像の中央左の尖っているのが利島、その右の小さいのが鵜渡根島、さらに枝の右に霞んでいるのが新島・・・だと思う。
ちなみに百名山の著者、深田久弥は天城山のいいところとして、「見晴らしがいいところ」を上げている。
私が調べた事前情報とは真逆だ(汗)!
その中で今回私達が見られなかった富士山や南アルプス、そしてこの伊豆諸島の見晴らしの良さを取り上げている。

「馬の背」という場所に到着。
ここは見晴らしがよく、北側に視界がひらけていた。

よく見ると、遠笠山の後ろに大室山が!
この山は特徴があるのでわかりやすい。
いかにも火山という形をしている。
ちなみに手前にある遠笠山も、噴火によりできた山らしい。
これらを含めて火山活動としての天城山という人もいる。

万三郎岳山頂へむかう。
途中一箇所はしごがあった。
この場所周辺の眺望も良かった。

ちなみに万二郎岳と万三郎岳の間は2kmくらいある。
この間は楽な尾根道・・・ではなく、意外とアップダウンがあるので時間がかかる。

この間にある嶺から万三郎岳方面に下る道が大変!
はしごが何箇所かに設置されている急な道。
ここも逆から登ってくると大変な場所だろう。

いよいよ山頂へ向かう急登の始まり。
ここもほぼ階段が崩落しており、迂回ルートを進む。
しかし、ルートが複数あるのでどこに行くべきか迷う(どれも大差ないが)。

そして・・・万三郎岳山頂へ!
しかしすごい吹雪になってきた(汗)!
これは積もるかなあ???

先に山頂に到着していた方も早々に下山を開始。
ツレは早く降りたほうがイイのでは?と心配。
ランチを軽食にして先を急ごうとしたその時・・・

なんとさっきまでの吹雪が嘘のように晴れ渡った!
これはラッキー!
天城山の神様ありがとう!
鳴神山の山頂でも晴れたことがあったな・・・

そうなればランチをしっかりと楽しもう!
と昨日と似たようなカレーとアルファ米を食べた。
食事の準備をはじめたが・・・雪なので軽めに食事をしようと一度しまって・・・晴れたのでやはり食事をしようと、荷物をだしたり片付けたりとして・・・かなりの時間をここで費やしてしまった。

結局1時間半は山頂にいた。
まあ、山頂をじっくり楽しめたからいいか・・・。
あとは下るだけだしたいして時間はかからないだろう・・・とこの時は思った。

しばらく西に向かってなだらかな道を歩く。

その途中視界がひらけた場所が!
ここからは遠笠山がとても良く見えた。
その手前にあるゴルフ場そばの駐車場まで戻る。
奥には初島も見えた。

そして北側に向かって下り始める。
結構急だが下りは気を付けてさえいれば早い。
このペースならさほど時間はかからないだろう。
下ってしまえばあとは平坦な道を四辻まで戻るだけだろうし・・・
ちなみに急いでいるのは、18時の予約で伊東のお店を予約していたからだ。

下りきったら東へと平坦な道を進む・・・はずであったが、とんでも無い勘違いだった。
東へと向かう道は、これまで以上に恐ろしい道、難所であった。
天城山から北側へと伸びる岩ゴロゴロの涸れ沢をいくつも超えなければならない。
しかもとても急な崖の横を歩いたり、急な岩地帯を下ったり登ったり・・・。
これは時間がかかる道だ(汗)!

そんな暗い崖地帯を歩いていると、見たこともないような巨木がいくつか現れた。
この木は・・・なんと大きな岩を抱え込むように根を張っている!


そして・・・見たことも無いような太さの木(周りの木と比べれば一目瞭然)!
・・・しかもかなりの斜面に斜めに伸びている(下の画像が根本、上の画像が上の方)!
これはすごい生命力だ!
思わず感動してしまい、抱きついてしまった。
ここは木々の楽園なのではないだろうか?
そしてきっとその楽園の主がこの木なのかもしれない。

その先も岩から生える木など、力強く生きる木々の姿が。
後に調べてわかったが、天城山周辺は屋久島(鹿児島)・えびの(宮崎)についで日本で第3位の降雨量があるらしい。
天城という地名の由来は「雨の木」とか。
雨の木・・・この生命力あふれる巨木たち
この人を寄せ付けない地形とたくさんの雨で力強く成長したのだろう。
そしてこのあたりは江戸幕府の天領で、木々の伐採を禁止された。
そのおかげもあってこのような神秘的な巨木が現代に残っているのだろう。
天城の圧倒するような自然の姿を、この場所で見ることができた。

その先も油断できない道が続く。
想定を遥かに超える時間がかかる(汗)!
しかし安全第一。
足を踏み外せば沢の谷へ滑落しかねない。

そんな恐ろしい涸れ沢地帯をようやく抜ける。
その先は・・・なんとも明るくほのぼのとしたアセビやシャクナゲの森であった。
そしてそのあたりは万二郎岳の裾であった。
厳しい万三郎に優しい万二郎か・・・。
この自然環境の激しい変化度合いも凄まじい!

そして四辻まで戻り、来た道で登山口へ。
時間は17時前。
山に入ったのが10時過ぎだから・・・なんと7時間も天城の山にいたのだ!

急ぎ伊東へ向かい、ホテルにチェックイン。
ちょうど18時に予約した店に着くことができた!

こちらで5,500円のコースを頼んでいた。
伊東の地魚のお作りなど美しく美味しい伊豆の海の幸を堪能する事ができた。

このほか、エビのフライや焼き魚、雑炊などなど・・・損じられないような量の料理が運ばれてきた。
残したくは無いので・・・すべて完食!
胃袋がおかしくなりそうな状況であった(汗)!!!
しかし、5,500円とは思えないクオリティと量だった。
・・・個人的には量をもっと減らしてほしいが(汗)
この後伊東の宿で・・・動けなくなったのは言うまでもない。

さて、それでは最後にまとめを。
■個人的反省点
今回は事前に調べて2月の天城山はチェーンスパイク必須という情報をえていた。
これは確かに必須だった。
氷点下のような冷え込みの中の登山となったが、むしろこのほうが良かったとも言える。
というのは、前日の伊豆山稜線歩きの際に手こずった「ニュルニュル」道にならなかったから。
登山道の多くは雪、もしくは凍っている状態だった。
もし温かな日だったら・・・ニュルニュル地獄だったことだろう。
結局登り始めて降りるまで地面が溶け出したところはなく、快適に歩くことができた。
もしニュルニュル地獄だったならば、更に時間がかかり日がくれてしまったかも知れない。
★ここで途中私が疑問に感じた「万一郎岳は???」についてご説明を。
そんなもの無いだろうと思っていたが、なんと前日に登った「達磨山」が万一郎ならぬ『万太郎』だったのだ!
達磨山、そして伊豆の山々には天狗伝説があるらしく、その天狗四兄弟の長男が『万太郎(達磨山)』、次男が『万二郎(万二郎岳)』、三男が『万三郎(万三郎岳)』、そして四男が『長九郎(長九郎山)』で、それぞれの山を棲家にしているとか。
これはたまたまだが、長男から三男まで順番に登っていた。そうなると四男にも今度登らないといけないな!
今回は何よりも天城の自然に心から圧倒された。
前日の達磨山から見た天城山も雲がかかっていたが、おそらく一年のうち多くの日で雨が降ってるだろう。
そんな雨の多い地は、植物の楽園だった。
万二郎岳までの道のりはアセビやシャクナゲなどの森、まるで公園のようなところだった。
花の時期に着たらさぞ美しいことだろう。
アセビやシャクナゲは万二郎岳裾野や山頂、尾根道のアセビのトンネル、そして石楠立(はなだて)周辺などで見ることができた。
私には違いがわからなかったが、石楠立から万三郎岳のあたりにかけては、アマギシャクナゲ(固有種)の群生地もあるらしい。
ちなみに天城の由来は「雨木」以外にもある。
このアマギシャクナゲの木の葉で作ったお茶が不思議な程に甘く「甘木」となったというのもある。
これらは天城山の明るい雰囲気の場所だろう。
そしてもう一つの暗い場所が沢沿いの谷の道。
この道は天城山が南側にあり日当たりが悪い上に、多くの木々が天を覆い暗い。
雨の多いこの地では山頂に降った雨が、滝のような勢いでこの北側斜面を流れるのだろう。
そんな激しい涸れ沢(雨がない時は枯れている川)が何本もあった。
岩がゴロゴロして崖のような地形。
その上見たこともないような巨木の数々・・・。
見ようによっては悪魔の森のような感じ。
しかし、私にはここが楽園に見えた。
これだけ木々のエネルギーが高い場所はそうないと思う。
たくさんの雨を受け、逞しく天へと伸びる。
そしてこの激しい地形が人間を容易に近づけさせない。
仮に木を切ってもとても持ち出せないような場所だ。
そのおかげで樹齢何年かはわからないが、巨木が何本も今もあるのだろう。
私が見た斜めに伸びる巨木は「神が宿っている」と思った。
その神々しさに思わず抱きつき、手を合わせて「登山の安全をお見守りください」と伝えた。
このような圧倒されるような大自然。
本物の大自然こそ、己の足でなければ見に行くことはできない。
それが登山の醍醐味だ。
この伊豆の山で、久々に自然の神々しいまでの自然を見ることができた。
そしてその圧倒されるようなパワーをいただいた。
大自然は守るのではなく、そっとしておくものなのだろう。
ありのままの自然、それこそが本当に価値のある自然の姿だ。
さて、この辺で今回はおしまい。
次回はソロキャンプ。
お気に入りの近場キャンプ場へ!
お楽しみに~。
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