さてさて、マナスル山荘の後半です。
夜中1時過ぎ、目が覚めトイレに行くことに。トイレは前半に登場した山荘の前、山荘手前の町営トイレまでいかなければならない(紅葉館にもあるが、ボットンで、山荘のお母さんですら利用を勧めなかった)。そこまで夜道を2~3分歩くので、トイレに行くときは自分も誘ってほしいと言っていたツレを伴い行くことに。
空を見上げると先程見えていた星はあまり見えない状態に。念の為クルマに入れてあった傘を持ってトイレに向かうと・・・途中から雨がかなり強く降り始めた!こんな天候でも雲の切れ間から天体観測をしていた高校生たちも、さすがに退散をし始めたようだ。その後雨は止むことはなく、時折ものすごく激しく降った。テントを下にいれる形の小川張りにしていなかったら、タープ内もびしょびしょになったことであろう。
そんな雨音を聞きながら眠っているのか起きているのかという状態で迎えた3時半頃、何やら話し声と物音で目を覚ます。隣のサイトの3人組がテントを撤収し登山に向かうようだ!この雨の中でも行くつもりのようだ、なかなかの猛者たちだ。私達も4時半頃起きて入笠山山頂に向かう予定であったものの、この雨では道中もかなりひどい状況&せっかく山頂にたどり着いても御来光はおろかまわりの山々すら見ることはできないであろうと、諦めることとした。
そして朝5時半ごろ、私一人起床しトイレに行くことに。雨は少し弱くなっていた。かなりの雨だったので、タープが少したるんでる。
周囲の木々はたっぷりと水浴びをしてイキイキとした朝を迎えたようだ。少し肌寒いくらいの朝だ。
展望風呂のある駐車場を出たところ。向かい側の牧場のような所で昨晩高校生たちが天体観測をしていた。その場所を濡らさないようにしたのか、ブルーシートが置いてあった。彼らはおそらく夜通し観測を行い、日の出とともに就寝しているようだった。トイレから戻る途中、数名でブルーシートを片付けている姿が見えた。
トイレ眼の前のお花畑への入口・・・せっかくだから少し見ていこう。獣侵入防止のためにゲートがある。
山頂方面はまだ雲がある様子、まだ雨が降っているのかもしれない。残念だが諦めて正解であったのであろう。お花畑の草花もたっぷりと水を含んでイキイキとしている!朝一番の植物たちは元気いっぱいで美しい。
テントに戻り朝食の準備を始めることに。ツレはまだ寝ているので、こっそりと火の準備を始める。
まずは炊飯。今日のごはんはおぎのやの釜で炊くことに。ツレが起きてきた、薪の準備の音で起こしてしまったようだ(汗)!
水は麓で購入した南アルプス天然水・・・と思ったら、北アルプス天然水だった!昨日ここに来る前にサントリーの白州工場に寄ってきたくらい近いのに!南アルプスのそばにいるのに北アルプスの水で炊飯をするのであった。ちなみに水は山荘でももらえるのだが、湧き水の調査をしたら安全基準を下回ってしまったらしく、頂いてもその後煮沸消毒が必要とのこと。念の為水を持参したのであったが、これは大正解であった。
おかずは信州ハムのウィンナー!パリッとしていてかつ粗挽きで肉感が強く美味しいウインナーであった!
あと信州ハムのハムエッグ。蓋が無いので両面を焼くことに。
こちらは来る途中に少し立ち寄った道の駅で購入したスモークチーズを更に炙ったもの。少しとろりとするくらいに仕上げるとウマい!
道の駅 信州蔦木宿 | 温泉つたの湯・お食事と、直売所てのひら館天然温泉”つたの湯”、そばなどの食事処、お土産、地元産の直売所など。道の駅信州蔦木宿www.tsutakijuku.jp
ごはんの炊きあがり~!おぎのやの釜で炊いたごはんはふっくら水分を含みとても美味しい。
こちらがおかず勢揃いの図。トマトは昨日の残り、ちなみに2人分。信州ハムのウィンナーはとても肉感のあるジューシーなもので、とても美味しかった!皮がぱりっと厚めなのでキャンプの直火焼きにとても良くあった。ハムも程よい歯ごたえがありしっとりしつつも油っぽくなく美味しかった。
食後は昨日の夜たどり着かなかった私のお気に入りのたいやき焼き。こちらは以前にも紹介したことのある東京四谷にあるたい焼きの名店「わかば」のたいやき。ウマいに決まっているたい焼きを二度焼きしているだけでは?との声は特にもらってないけど、これがまたお店のものと一味変わってウマいんですわ!!!
たいやき わかば昭和28年創業 新宿・四谷見附にて営業している「たいやきわかば」ですwww.246.ne.jp
登山を諦めた結果、とてものんびりと楽しい朝食を楽しむ事ができた。しかし7時半過ぎくらいに雨は完全にやみ、8時過ぎには日がさすようになってきた。そして直射日光が当たると・・・さすがに暑い!乾燥撤収は諦めていたが、これだけ日光があるのであれば行けるかも!と、タープとテントを干しながらの撤収を行い、ほぼ乾燥撤収という感じまで持っていくことができた。
いや~、高校生や展望風呂、星空、大雨・・・色々てんこ盛りで楽しいキャンプであった。残念ながら入笠山登山はできなかったものの、これは「また来なさいよ!」と入笠山が私に言っているのであろう。また来年再訪確実だ、そう思い高山のキャンプ場をあとにするのであった。
帰り道は長野県の佐久市を経由して、254号線で群馬県に入り下仁田ICから上信越道に入るルートを取ることに。途中近い将来登りたいと考えていた荒船山の登山道入口をチェックしていく。そのついでに近くにある「神津牧場」へ。ここは昔仕事で来たことがあり、その際に食べたソフトクリームがとても爽やかで美味しかったことは今でも鮮明に覚えている。世間では濃厚なものやチーズのようなクセのあるソフトクリームがもてはやされていたが(当時)、このジャージー牛ならではのスッキリとした爽やかさで勝負していた事は衝撃であった。これは素材が良くなければできない!
当時は富岡製糸場が世界遺産になる前で、関連施設として世界遺産登録された近くにある荒船風穴もマイナーな存在であった。なのであまり人気のない印象の牧場であったが、この日は2時過ぎに訪問にもかかわらずそれなりに人がいる!早速売店でソフトクリームをいただくが、当時300円だった記憶だが400円に値上がっていた。このクオリティで300円はすごい!と当時驚いたものであったが、400円でいただくと・・・価格相応な気がしてしまった(笑)!しかし滑らかでクセがなく爽やかな味わいは健在。夏の暑い日に食べるとさらにその美味しさがよく分かる。
神津牧場で飼われている牛は珍しいジャージー牛。栄養価が高い上にクセが少ない、ジャージ牛のミルクで作ったソフトクリームだから味わいが違うのだ。ちなみに今回発酵バターも購入してみたが、やはり乳臭さをあまり感じない爽やかな味わい。やはりジャージー牛は一味違う!のんびりと過ごしている牛たちを見ながら、懐かしい神津牧場の再訪も叶いとても良いキャンプ旅となったな、と思ったのであった。
それでは最後のまとめを。
■良いところ
長野県のキャンプ場の中でも比較的首都圏に近いキャンプ場であるにもかかわらず、訪問しやすい立地。しかも山荘が経営しているだけあって高山ならではのお楽しみがいっぱい。日中は高山植物が茂るお花畑を散策、夜は満点の星空を楽しめ、そして早朝には登山で御来光&360度の眺望から日本を代表する山々をみることができる。
そして真夏でも涼しく過ごすことができる。この日麓の富士見町あたりでも35度程度の灼熱の日であったが、山荘付近は30度を切って28度くらい。直射日光を浴びるとさすがに暑いものの、涼しく過ごすことができた。夜はおそらく17度くらいだったかと思う。
■イマイチなところ
小さいサイトでファミリーにはちょっと厳しいサイズ感である。しかしソロキャンプや2人くらいにはちょうど良いサイズなので、私には何の不満もない。またオートキャンプ場ではないので、やはりファミリーや荷物の多い人には不向き。駐車場からは階段なのでカートも使えない。実際今回利用していたのは、ソロ1組、2人2組、3人1組(登山者)と、少ない人数での利用がメインであった。
またトイレは結構離れており、夜間の利用は少し怖さがある。私達が訪問した日は夜中も高校生や先生が山荘付近をうろちょろしていたのでそこまでの怖さを感じなかったが、普段は静かで漆黒の闇に包まれていることであろう。
そしてもう一つ、水を直接飲料として使えないのもファミリーや手軽に楽しみたいキャンパーにはデメリットであろう。たとえ山荘でもらった水でも煮沸消毒が必要。ちなみに煮沸消毒とは沸かせばいいのではなく、20分くらい沸騰させる必要がある。ただ今年の検査でそうなったようで、今までは問題なかったとのこと。来年以降改善される可能性もある。
あと、夏休みには天体観測の高校生がよく来るようなので、タイミングが合ってしまうと静かな環境とは言えない。深夜でも話し声が少し聞こえたり、時折歓声が聞こえたりした。
上記デメリットがあるが、私はそれでも代えがたい価値のあるキャンプ場だと思う。ここでしか味わえないものが多すぎて!トイレは仕方ないとしても、水は準備してくれば何の問題はなかった。高校生たちの歓声も明るい楽しい声で、騒いでいるわけでは無く全く不快には思わなかった。むしろ心を輝かせて発する高校生の声は、まるで天使の声のようにさえ感じてしまい、微笑ましかった。
■個人的反省点
反省しようが無いものではあるが、やはり入笠山登山が叶わなかったのは心残りである。しかし本文で触れたように「また来いよ」という入笠山の声であったと思う。無理すれば登山自体はできたであろう。しかし、雨の暗闇の登山は危険を伴う。そこまでの危険を覚悟して登るのは登山者としてNGだと思う。「勇気ある撤退」として来年のお楽しみにしておこう。
今回一番感じたのは、やはりソロキャンプではなくても軽量化を図りたいということであった。今回チェア(1つのみ)や焚き火台(ピコグリル)など、普段ツレとのキャンプで使っているものよりも軽い、ソロキャンプで使っているものをいくつか使うこととした。その結果とても楽であったし、そして何の不満も問題もなかった。
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そうなればテーブルとチェア(もう一つ)は考える余地がある。テーブルは私の半ハンドメイドのものを使っているが、やはり木材と鉄でできているものなので重たくかさばる。そしてスノーピークのチェアも大きい上に重い。スノーピークのキャンプスタイルはオートキャンプであって(恐らく)、私達が楽しむようなキャンプとはやはり違うのだ。もっと軽量でコンパクトになるものをつかいたい。
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テーブルは候補がある。色々と調べた結果一択で「ヘリノックス タクティカルテーブルL」であった。似たようなコンパクトなテーブルは廉価なメーカーでもあったが、テーブル天面が布素材でかつLサイズ(74×57cm)という大きさのものは他社では一つも見つからなかった。このサイズ感で1.5kg!これはいいな、と実はこのキャンプ前にも調べていたのであった。しかし不人気カラーのコヨーテでも20,000円を超える価格で(ちなみに私は人気のブラックよりコヨーテの方が欲しい)あるので、すぐには手が出せなかった。
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チェアはソロで使っているフィールドアのハイバックチェアが一番使いやすい。フィールドアのチェアは上記のメーカーの廉価版のような感じではあるが、このハイバックチェアだけはそれ以上にこのメーカーにしか無い利点があるのだ。それは、足を外して高さを低くできることだ。こういうタイプの折り畳みチェア(ヘリノックス的な)は、意外と腰の位置が高いものが多い。しかしフィールドアのものは足を外せば20cmくらいの高さになり、ローチェアとしてゆったりリラックスして使えるのだ。なので私はあえてこれを使っている。
お値段は7,200円とヘリノックスに比べてお求めやすく、そして自分のスタイルにバッチリ合う。色はタン、これだけメーカーのロゴがプリントされていないのもとてもいい。これをもう一つ買ってヘリノックスがあれば、かなりの軽量化を図れそうだ。
私は正直オートキャンプ場は好みではない。やはりなるべく自然の中でキャンプしたいので、愛車といえども近くにいないほうが自然でいいし、第一そのような景観重視でキャンプ場を探すと、オートキャンプ場ではない場所の方が多くなってくる。だからこそ軽量化を図り、快適に楽しくキャンプできるようにしたい。そして手軽なオートキャンプ場よりも他の利用者が静かな場合が多い気がする。
また、今回は思いがけず天体観測の高校生たちと一緒となり、とても嬉しかった。最初に声をかけてくれた男の子との気遣いや、星を見上げて静かに歓声を上げる女の子たちの声・・・普段の生活の中で忘れてしまいがちな人間の心の美しさを感じる事ができたからだ。大自然の美しさ、そして人間の心にもある美しさ。なんと素晴らしい環境でキャンプできたことであろう!自分勝手に生きて心が荒んでしまった大人ばかりを見ていると(私を含めて)、人間の心の中にはこんなにも美しいものがあるのだということを忘れてしまいがちだ。
しかし大人だから美しい心が無いわけではない。このような美しいキャンプ場で、高山に咲く花々や夜空の満点の星、そしてここで出会った高校生たちのような子に出会うと、その心を絶対に思い出せるはず。この大自然が人の心まで美しくしてくれる、そんな場所であった!
さてさて、次の予定はソロキャンプ、一人で近所のキャンプ場へ行く予定だけど・・・埼玉平野部は35度超の猛暑が続いているような陽気(汗)!どうなることやら!
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